「簡単で難しいメモリのお話」

店主が巷でよく耳にする言葉が「メモリの量」を増やせばPCが速くなる。

というもの。

これは全くおかしい話で、そのPCは設計ミスです。

だって、必要な量のメモリを最初から搭載せずに、コストダウンしてることが明白です。

 

ところでみなさん、メモリの「量」と「周波数」と「レイテンシ」を混同していませんか?

 

ただ量を増やせば速くなる、というのは都市伝説で、今まで足りなかった量を補給してあげたら元の性能に戻った、というのが正しいです。

CPUとメモリの間でデータのやりとりが行われますが、メモリの量が足りないとCPUが待ち時間になったり、一時的にHDDにスワップしたりします。

このせいで、極端にデータ処理速度が遅くなるのです。

 

では、スピードとは?

まず「レイテンシ」。

これは、メモリの中で信号のやりとりが数回行われるわけですが、CPUから入ってきてからCPUに戻すまでのタイミングの速さです。

周波数の大きなメモリになると、技術的に難しくなりますが、小さければ小さいほど速い、ということになります。

次に「周波数」。

帯域とも言われます。これが大きければ大きいほどたくさんの大きなデータをCPUの窓口とやりとりできることになります。

 

実はインテルのCPUなどは、公称対応メモリ帯域よりもはるかに余力があるように設計されており、マザーボードの対応が必須ですが、DDR3-1600のところDDR3-3000くらいまで帯域を伸ばせます。

だからといって、普段PCを使用する分には体感できるレベルではないですし、メモリも非常に高価なものになります。

 

結果的にメーカーはどのように解決したかというと、より数の多いコアでCPUに並列処理をさせられるように設計し、メモリのチャンネル数を増やしてサーバーやワークステーション、研究施設用のPCを作りました。